女性と弁膜症
僧帽弁狭窄症は約2:1の割合で女性に多い。治療法として確立する前には、NYHA心機能分類でII度以上の症例を対象とすることが原則であった。何故かわからないが、たいていの女性患者は自分の症状を全く無症状として自覚することが多い印象がある。例え胸部写真で心胸比が大きく心房細動があっても、彼女たちはほとんど自覚症状がないと思っている。しかし経皮的僧帽弁形成術を終えて、カテーテル台に横たわった彼女に「終わりましたよ。無事に広がりました」と呼びかけると、不思議にほとんどの人は即座に答えるのである。「ものすごく呼吸が楽になりました」と。
また、心房細動は僧帽弁狭窄症の重症度とは無関係に生ずることも確かである。弁形成術が成功したのに発作性心房細動を繰り返してしまう女性患者がいた。そのため彼女は術後まもなく外科の主治医の勧めもあってあらためて直視下交連切開術OMCを行った。OMCの時の所見は経皮的僧帽弁形成術により交連部はきれいに裂開していた。しかし、術直後から発作性だった心房細動が固定してしまった。心房細動が固定したため彼女の症状は安定したが、胸には傷が残ったのである。
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