コレステロール論争
週刊朝日が昨年からコレステロール論争をふっかけている(適切な表現ではないかも知れないが)。
検診でコレステロール値が基準値を超えていると、反射的に「高脂血症」と病名をつけ病気にしてしまう。その上でスタチン系と言われる切れ味の鋭い高脂血症治療薬を投与する。この流れに対しセンセーショナルに書き立てているのである。
確かに世界に先駆けて我が国の製薬会社(三共)が開発したメバロチンというスタチンは、高脂血症のみならずいろんな分野で画期的効果を生んできたことは称賛に値する。少なくとも未だに我が国の医家向け薬品の販売トップを保ち続けている。つまり最も売れている製品なのだ。
その売れる理由がその切れ味にあることは間違いない。ただ適応に問題はないのかと言うのが朝日の論調なのである。
彼らの主張の一部は確かに正しい。かなりの一般医家が「反射的」にコレステロール高値にメバロチンを処方していることは確実だ。最近のEBM(証拠に基づく医療)という観点からすれば、もっと対象を吟味し適応を厳密に運用しなければならない。
ボク自身は反射的に使う前に、他の危険因子とのバランスを考える。まずは食事内容の見直しを管理栄養士にしてもらったうえで、数ヶ月後の再検を経て治療の必要性を決める。ただ、総コレステロール値が低くてもスタチンを使う場合もある。数値だけを見ているのではない。その数値の裏にあるものを読んでスタチンの使用目的をはっきり決めて使う。そうでなければ「俺だって医者と同じように処方できる」と思っているに違いない朝日の記者と同じレベルであるから。
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