歩くことの大切さ
彼は30代の若さで急性心筋梗塞になった。幸いに早い処置でほぼ後遺症なく軽快した。急性心筋梗塞の最大の理由は100kg近くあった肥満であった。入院から減量作戦が始まった。徹底した食事管理、運動療法が功を奏し、70kg台まで低下した体重は今も守られている。
「毎週末は練馬の自宅から皇居まで往復してるんです」
「先週末は日本橋から水戸まで一泊二日で歩いてきました」
「去年の夏は東海道五十三次を10日間で歩きました」
「中山道はさすがに一シーズンでは無理だったので、二年に渡って歩き通したんですよ」
彼は焼酎が好きでほとんど毎日晩酌をする。「毎晩酒を飲みたい」、この気持ちがモチベーションとなって彼を歩き好きにしたのである。
 
足は「第二の心臓」とも言われる。歩かなくなったお年寄りの足がむくむのは、静脈血がうっ滞するからである。うっ滞した静脈内には血栓ができやすい。
先の新潟中越地震で車の中で寝泊まりしていた被災者の何人かが肺梗塞で突然死したのは記憶に新しい。いわゆる「エコノミークラス症候群」とよばれる肺梗塞は、下肢から骨盤内にできた静脈内の血栓が肺動脈につまるために生ずる。
とにかく歩くことにより、ふくらはぎの筋肉が静脈のミルキング現象を生み、血流を増加させる。これらの効用は代謝を活発にし肥満解消につながる。一石二鳥以上の効果を生むのだ。なにも大金を払って健康食品や健康器具を買う必要はない。単純に歩くのがなによりも安上がりであり、どんな薬よりも有用であることにもっと多くの人が気付かなければならない。
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