医療ミス
先日、ボクが15年間働いた榊原記念病院の医療事故がメディアに取り上げられていた。一昨年末に新宿南口から府中市に移転してまもなくの事故と思われる。事故の内容そのものは委細不明なのでここでは触れないが、問題は看護師三人が訴えられたことにある。
 
元々我が国ではアクシデントのみならずインシデントについても、再発防止よりもまず個人責任ないしは集団責任をとらされるという悪しき慣習がある。高校野球の過剰な集団責任論を思い起こしてみればよくわかる。
これまでも何人もの看護婦さん達が裁判で裁かれてきた。ヒューマンエラーというものは「ヒューマン」だからおきるのであり、サルではおきない。ヒトはミスをおこすものという前提でシステム構築を行なわなければならない。その意味で個人の責任だけを問うのは決して将来のためにはならない。
医療事故は飛行機事故とよく比較される。「フェールセイフ」という考え方である。個人のミスを問うよりも、「ミスをおこしても絶対に事故に結びつけない」というシステム作りが大切である。残念ながら我が国の医療事故を取り上げるマスメディア(特に全国紙といわれる新聞)は、少なくとも初期の頃は医師や看護師の個人攻撃を行ってきた。
ミスがおきるたびに院長達に頭を下げさせるメディアたち。過誤と合併症をごっちゃにして過剰に反応する病院経営者達。このことは結局なにをもたらしたか。
萎縮する医師や看護師たちが本来の業務をできないでいる。最終的に困るのは患者さんたちであるということをもっと良く知る必要がある。
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