医者はもうかるって本当?
ボクの高校時代、今から30年以上前、空前の医学部受験ブームであった。進学校と言われたボクの高校でも最終学年のクラスの4人に一人は医学部志望であった。その後、いったん下火になったかに見えた医学部受験の人気度は今また上がっているという。
やはり安定して高収入が得られるというイメージがあるからなのだろうか。
 
10月9日の朝日新聞に医師の年収についての特集が掲載されていた。そのタイトル「医者はもうかるって本当?」である。
このタイトルはボクを唖然とさせた。世の中には「医者はもうかる仕事」というイメージがあり、裏を返せば「医者はそんなに儲からせてはいけない」ということなのであろうか。
欧米先進国では医者の年収は平均的サラリーマンの2から3.5倍だそうだ。これが妥当かどうかはわからないが、少なくとも養成にかかる時間、経費、要求される技術・知識・モラルなどは他の職業の比ではないことを考えれば、相応の待遇はやむを得まいとは思わないだろうか。
世間一般(つまり患者ないしは患者予備軍)に「医者を儲からせてはいけない」、あるいは「医者は儲けすぎだ」と思われているとしたら残念である。
 
国民皆保険によって受診の垣根を低くしただけ多くの軽症患者が大病院に押しかけ、「三時間待って三分診療」と呼ばれる日本的状況を作ってきた。三時間待たせるのは医者があるいは病院が悪いと言わんばかりである。
身を削って働いても正当に評価されない現状を思うと、医師会の改革を含めたシステムの見直しが必要であると思う。
医師会が任意加入で自助努力がなく、対厚生労働省の圧力団体である限り、郵政改革の二の舞になることは眼に見えている。
 
ボクには全てが悪循環に陥っているような思いがしてならない。日本的共産主義的平等主義は戦後復興には必要な理念であり、平和ニッポンの精神的支柱であったことは確かである。しかしこれだけ成熟した社会になった今でも、その理念を守り続けることが必要であろうか。その結実が世界にも珍しいこの高齢化社会であるはずだが、このままではそれが命取りになる可能性があることに早く気付かないと日本に未来はない。
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