診療報酬引き下げ
世の中がどんなに不景気になっても医療費だけは伸び続けてきた。その結果なのか、少なくとも医者は食倒れすることなく安定した職業として世間から見られてきた。なかでも開業医に向けられる世間の目は厳しい。
その一つに勤務医の平均年収が1370万円なのに対し、開業医は2744万円となっていることがあげられている。開業三年生のボクには信じられない数字ではあるが、この二倍の開きの持つ意味はもっと深く掘り下げられなければならない。
 
それにしても日本医師会は日本の(あるいは世界の)大きな流れをつかんでいないように思えてならない。何故なら厚生労働省官僚が考える改革案しか聞こえてこないからである。
その大きな流れとはなにか。
キーワードはオープンである。インターネット社会では情報の流れは極端に速い。世は「情報公開」だというのに、「父権主義」の延長にあると思われる「隠す体質」は少しも変わっていない。
例えば、「診療報酬明細書、すなわちレセプト」の電子化という課題がある。せっかく医療情報をデジタル化してもレセプトは相変わらず紙に印刷して基金に提出する。ほとんどの医療機関がレセコンを導入しているのになぜデジタル化を推進しないか。その大きな理由は「診療内容をデジタル化して基金に渡せば支払者側にいいように利用される」というのだ。これはもう後ろ向きの姿勢である。自らの診療内容の透明化が患者との信頼関係を生み、高め、ひいては標準化や違法行為の防止につながることは容易に想像できる。それをしないのは後ろめたさがあると思われてもしょうがない。ことの善し悪しは別に、世の中は猛スピードでデジタル化している。医師会がアナログ的である限り取り残されていくのは眼に見えている。
 
医師会がプロフェッショナルとしての自覚と主張を持った集団に生まれ変わらなければ、官僚主導の改革の流れは止められない。
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