お酒
ボクはお酒がほとんど呑めない。
「オオタキさんは新潟の出身でしょ。お酒が呑めないなんてもったいないこと」
 
小さい頃から我が家に酒があるのを見たことがない。せいぜい神棚にあげる御神酒か、親父の会社の忘年会で酒を見ることくらいしかない。その親父も全く酒を口にしない。だからといってつきあいが悪いわけではない。お茶やジュースだけで酒飲み達の相手をしている姿が記憶に残っている。
兄貴も弟も全くと言っていいほど酒を口にしない。みんな東京近辺に住むようになって、お盆や正月に集まっても酒を飲む姿はない。もっぱら飲むのはそれぞれの奥方という始末である。
 
大学時代にあまりに割り勘負けするのが悔しくて、訓練すれば強くなると言われて試したことがある。当時はグランドパブと呼ばれる学生でも比較的安く飲めるお店が流行っていた。飲めない癖に飲んでは吐きまくる。途中でメガネを落として割ったりしたこともあった。それでも天性の下戸は結局のところ変わらなかった。これはもうどうしようもないと諦めざるを得なかった。
上京してまもなくの頃、内科のT先生が歓迎会を開いて下さった。中野の寿司屋に連れて行ってくれた。当然新宿から電車だと思ったのだが彼は自分の車で行った。
「お酒を飲まないのかなぁ」
ところがどっこい、しこたま飲むのである。酔っぱらい運転をしながら帰っていった。
これは田舎者の感覚からしたら驚きだった。
「さすが、東京人」
とヘンに感心したことを鮮明に覚えている。
そのT先生もそれからしばらくして飲酒運転取り締まりで見事に捕まった。取り締まり現場の直前で助手席の奥さんと交代したところをしっかりと見られており、お縄になったのである。
 
お酒で失敗したことがない(したくてもしようがない)のがボクの自慢である。
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