外科医よ、メスを置こう!
昔、武見太郎が医師会長だった頃、日本医師会はストライキを行ったことがある。当時は診療報酬を巡る闘争だったように記憶している。後にも先にも医者がストライキを行ったのは我が国ではこれ以外にない。
今、医療者をとりまく環境は過去最悪の状況である。ここに至った理由は決して医者だけの責任ではない。この国の体質、国民性、などなどいろんな問題が解決されないままここに及んだためだと思う。
 
先日、日本医学会が緊急アピールをだした。(その声明文は日本医学会ホームページ<http://www.med.or.jp/jams/>をご参照ください)
ことのきっかけは福島県立病院での産科医師の「逮捕事件」である。この事件の詳細は別のところで触れるとして、警察権力の不当な介入はもっと大きな声で糾弾しなければならない。
そもそも都立広尾病院での事故や横浜市立大の患者取り違い事故、京都大人工呼吸器事故などに始まった警察権力の介入は、慈恵医大青戸病院での内視鏡手術事件でピークに達した。一方で医者側の過剰なまでの頭下げシーンを繰り返し要求し報道するメディアのせいもあって、現場ではまともな医療が出来ない状況まで追い込まれてしまった。
ボクは組織としての病院やシステムの責任を問うのは当然だと思う。しかし個々の医師の能力を問題にしたり、看護師を逮捕するというのは明らかに間違っている。
 
外科医はメスを持って患者の体を切る。もし手術が成功しなかったからといって結果責任を問われ逮捕されたとしたら誰も手術をしようとはしないだろう。
もう我が国では外科医はメスを持って手術できないし、循環器内科医もカテーテル治療できないはずだ。
患者になりうる国民にどちらが正しいかをわかってもらうためにも、ここはストライキをするしかない。医療法で来る患者を拒むことは出来ないが、せめて警察関係者だけは別扱いさせてもらいますという看板だけでも掲げようではないか!
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