2006年を振り返って
勤務医から開業医へ、四回目の正月を迎えた。
隣の歯科医院はすでに二回も閉院してしまったが、なんとかここまで潰れずにこられた。
 
計画ではあと二年で一区切りである。つまり開業する際の「借金5年返済計画」をまずはクリアせねばならない。
この「借金5年返済計画」は友人のK君と彼の紹介による公認会計士と税理士さんグループによってたてられたものである。サラリーマンたる一勤務医が開業医になってなにがわからないかというとキャッシュフローである。一応、開業支援コンサルタントをお願いはしたが、お金の流れに関してはなかなか依頼できるものではない。
彼らがボクに課した義務は一日の患者数である。三年目にその数をクリアしておけば「借金5年返済計画」は達成できるとした。若干のずれはあったものの2006年は順調に増加してきた。
今のところ「倒産」しないですむということは、一日最高40名ほどの専門外来中心の開業でもなんとかやっていけるということだ。混雑した待合室、さばくための丸椅子よりも、ゆったりとした空間や時間を提供してもやっていけるという目途がたっただけでも誇りに思う。
 
ボクの専門である心臓血管系の疾患は慢性疾患である。心臓は命を決める最終臓器である。そう簡単には止まらないようにはできてはいるが、いったん不安を抱えたらできるだけ早く解決してあげなければならない。その意味で2006年も多くの患者さんやその予備軍の方に満足して頂けた診療ができたと思う。
もちろん快く救急患者さんを受け入れて下さった近隣の病院の先生方には感謝している。また手術を引き受けて頂ききちんと結果を出して頂いた外科医にも心から御礼を申し上げる。
 
また今年も何人かの長いおつきあいをしてきた患者さんが鬼籍に入られた。
Yさんは長い間心不全に苦しまれた。最後は本人も望まれて手術に踏み切ったが残念ながら亡くなられた。奥様とお姉様が感謝の挨拶においでになったが、涙なくしてはいられなかった。
またMさんは榊原先生の執刀による手術、ボクの風船による手術を乗り越えてこられたが、残念ながら人工弁置換術を行うも救えなかった。某病院にお見舞いに行った時の笑顔が忘れられない。その病院からは死亡連絡すらこない。そんな外科医に委ねたボクには悔いが残る。
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