白洲次郎という人
便利になったと言うべきか、本屋に行かなくても本を簡単に買える世の中になった。
もちろんお目当ての本を探しながら本屋の中で一日を過ごすのもいい。しかし時間に追われて仕事する身にとっては、週末しか本屋に行けない。が、その週末も「芝刈り」に精を出すわけだからますます本屋に行く時間がない。
というわけでここ数年はほとんどネット書店アマゾンから本を購入するようになった。
さらに問題なのは本を読む時間をいかに作り出すかだが、幸いにこの正月はゴルフをほどほどにして、アマゾンで大量に買い込んだ本を読み漁った。
 
昨年あたりから白州次郎という人がブームになっているという。
これまでも彼の評伝は何冊か読んでいたが、たまたまアマゾンで北康利氏の「白洲次郎、占領を背負った男」という本を見つけた。なかなか読み応えのある量と内容で、青柳恵介氏の「風の男、白洲次郎」以上に内容の深い本であると思う。
さらに彼自身の本も文庫版で再発行されたというので買い求めた。それが「プリンシパルのない日本」という本である。
ここにはボクが生まれた1953年を中心に彼が文藝春秋などに書いた文がまとめられている。
ここに書かれていることは半世紀以上も経過しているとは思えないほど、現在にもあてはまることが多いのに驚く。白洲次郎の憤りは50年過ぎた今でもそのまま通用するのだ。それほどこの国はあの時代から成長していないということか。
彼は日本の敗戦や東京の破滅を予告し、戦後はGHQを相手に新憲法制定の裏側を見て、更にサンフランシスコ講和条約締結に立ち会った。彼の思想や行動基準が「プリンシパル」である理由は、多感な思春期をケンブリッジ大学で学ぶためにイギリスで過ごし、紳士道を学んだからであろう。ふがいない政治家(屋?)に彼の爪の垢でも煎じて飲ませたい気分になる。
 
教育基本法が改正され防衛庁が防衛省に昇格し、憲法改正が声高に叫ばれている今こそ、事の本質がどこにあるかということを知るにはこの本を読むのが一番だろう。是非一読をお勧めする。
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